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エポキシ樹脂との硬化機構について

投稿日:2022/04/21

熱硬化型エポキシ樹脂とチオール製品の硬化機構についてご説明します。

熱硬化型エポキシ樹脂と硬化剤

エポキシ樹脂は熱硬化型プラスチックとして、世の中で幅広く用いられています。そして熱で硬化させるために、エポキシ-アミン系、酸無水物系、アニオン重合系、カチオン重合系、フェノール系、チオール系等、様々な硬化剤を使用しますが、どのような硬化剤を選択するかは各用途、使用方法に応じて使い分けられています。

例えば電気絶縁材料用途であれば酸無水物やイミダゾール化合物、塗料用途であればDICYやアミノ樹脂、接着剤用途なら芳香族ポリアミン、酸無水物、イミダゾール化合物、チオール等が挙げられます。その他用途としては、成型材料や土木関連材料等があります。

使用方法としては硬化させる時の加熱温度によって選択される硬化剤が異なり、加熱温度が高い場合は(例えば180℃)酸無水物や芳香族ポリアミンが単独で使用されたりしますが、これに 硬化促進剤を添加することで硬化開始温度を下げる (例えば100℃)ことができます。更に低温で(例えば常温以下)硬化が必要である場合はチオールと硬化促進剤や脂肪族アミンと硬化促進剤等の方法があります。

エポキシ-チオール系の硬化反応

弊社の多官能チオールは、 低温・速硬化を特徴とする一級チオール です。このエポキシ-チオール系反応の特徴としては、 非常に反応性が高いため加熱なしの常温で使用 されたり、 100℃以上の高温で使用される場合には数秒で硬化させることも可能 であり、プロセスの省エネルギー化にも向いていると考えられます。しかしその反面一液型とした場合にはポットライフが短いという課題がありますが、潜在性硬化促進剤や安定剤等の併用や冷凍保存等の方法によってポットライフをコントロールする技術が開発され、使用方法によっては一液化も可能となってきました。また極性が高いことから様々な被着体に対して高い密着効果も期待できます。

エポキシ-チオール系反応は通常それぞれの官能基同士が反応し結合することで進行するため、それぞれのエポキシ当量とSH当量を合わせる配合で検討されています。

硬化反応例としては、右図に示します。

エポキシ樹脂のチオール系硬化剤の特長
チオール化合物のSH価とSH当量について、計算方法と自動計算ツール

まとめ

多官能チオールはエポキシ樹脂硬化剤として以前から知られている化合物でありますが、まだまだ未知の可能性を秘めた化合物とも言えます。今後様々な活用方法が生み出されると考えられるため、まずは知っていただきそして弊社製品を手に取ってもらいたいという思いからコラムの連載を開始しました。本コラムは、今後、不定期に更新していきたいと思っております。分かりづらかった点、解説してほしいテーマなどありましたら、HP下部「お問い合わせ」よりお気軽にお問い合わせください。

 

*本記事は、記載内容を保証するものではありません。

関連リンク

エポキシ樹脂チオール系硬化剤のことをもっと知りたい方は、以下の記事も併せてご参照ください。

▷ エポキシ樹脂チオール系硬化剤の特長

▷ チオール製品の特長と選択ガイド

▷ チオール化合物のSH価とSH当量について

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