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臭気低減チオール:LVシリーズのご紹介

投稿日:2023/08/21

チオール配合時の臭気で使用を断念したことはありませんか?臭気低減チオールを試してください!

チオールってなんで臭うの?

チオール化合物にはS分子由来の特有の臭気がありますが、一般的に 臭気は分子量300以下程度の低分子物質が、徐々に揮発することにより発生する と言われています。
そのため、主成分が分子量300以上の多官能チオールの臭気は、チオールそのものではなく、僅かに残存した「低分子物質の硫黄化合物」や反応溶媒由来の「VOC(Volatile Organic Compound):揮発性有機化合物」等が原因ではないかと考えられます。
よって、多官能チオール化合物においても、低分子不純物を低減できれば臭わないのでは?と考え、LVシリーズを開発しました。

低臭気化を実現!

臭気の確認をするため、チオール従来品:PEMPと、臭気低減シリーズ:PEMP-LVの臭気を比較するため、臭気指数相当値を測定しました。

結果は、従来品に比べ 臭気指数相当値がなんと90%低減されている ことがわかりました!開発者曰くほぼ無臭とのことです!
臭気の低減を達成した理由として、① 製造時の不純物を低減 する製法と、② 反応溶媒として有機溶剤を使用しない 製法を両立させたことにあります。そのため、 LVグレードは「有機溶剤フリー」製品 で、臭気が低減したことからも、臭気成分の環境排出量が低減していることがわかります。

以上のことより、未硬化のまま最終消費者まで届く
 ・クラフト用UVレジン
 ・コーティング剤
 ・歯科材料
のみならず、エポキシ樹脂との配合においても、
 ・排気設備が整っていない環境で配合したい
 ・現場の作業環境を改善したい
 ・環境へのVOC排出を低減したい
など、改善したい方への力となれるのではないかと考えています。

より高い反応性

チオールは一般的に反応性が向上することは知られていますが、従来のPEMPと新しく製造したPEMP-LVを120℃でゲルタイム測定した結果、 PEMP-LVの方がPEMPよりさらに1分早く硬化 しました。
これはLVシリーズに残存する不純物による反応阻害が少ないためで、高純度の製品であることが示唆され、低臭気とともに高い反応性が得られます。

色相改善

色相についても、チオール従来品であるPEMPが淡黄色であるのに対し、 PEMP-LVは限りなく無色透明 にまで近づけることに成功しました。

色味の影響が大きい用途(コーティング剤、レジストインキ、歯科材料、クラフト用UVレジンなど)で、従来品では満足していなかった方にもご満足いただける製品となりました。

酸価の経時変化軽減

従来のPEMPは外気温や空気中の水分の影響により、エステル構造部分が外れ、ゆるやかに酸価が上昇していきます。これは冷暗所保管、品質保証期間内では問題ない程度のわずかな上昇ですが、配合で塩基性の硬化剤や触媒等を使用している場合には、酸価が少しでも高くなると反応性やポットライフ等に影響が出ることが考えられます。その場合、同じロット・同じ配合でも、出来立てのものと保管期間が長いもので差が出てしまうことが懸念されます。

しかし LVシリーズは酸価の上昇値が従来品に比べて緩やか なため、上記の課題を解決することができます。塩基性の硬化剤や触媒等を使用している場合や、同じロット・同じ配合でも結果が安定しない場合などに試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

現在LVシリーズは、3官能のTMMP-LVと、4官能PEMP-LVの2製品をラインナップしています。
チオール化合物は臭気の問題から敬遠されがちですが、反応性の向上や不純物削減などが可能な物質です。LVシリーズは臭気、反応性、色相、経時変化において、より扱いやすい高純度製品となっています。従来品ではご満足いただけなかった方も、是非手に取って試してみてください!

*本記事は、記載内容を保証するものではありません。

   TMMP-LVの詳細はこちら  PEMP-LVの詳細はこちら

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