PRODUCT INFORMATION COLUMN
製品情報コラム
チオール化合物の誘電率
投稿日:2022/06/15
弊社チオール製品の誘電率を測定しましたので、ご紹介します。
目次
チオール化合物の誘電率
誘電率の測定は硬化物について実施されることが多いかと思いますが、液状チオール単体で測定を実施しました。
誘電率の測定方法については、空洞共振器を用いた測定法(JIS C2565に準拠)で、セルに液体を投入し1GHzでの測定結果が下表となります。
製品名 | 誘電率ε | 誘電正接tanδ |
---|---|---|
PEMP | 5.8 | 0.2 |
TMMP | 5.5 | 0.2 |
DPMP | 5.0 | 0.2 |
TEMPIC | 4.4 | 0.1 |
Multhiol Y-3 | 5.4 | 0.3 |
Multhiol Y-4 | 4.8 | 0.2 |
一般的に誘電率と化学構造の関係性として、極性が低い方が誘電率も低いとされており、構造中に酸素(O)や窒素(N)が含まれるようなものは誘電率が高いとされています。
例えば今流行りの5G向けプリント基板材料等では、伝送損失(=誘電損失+導体損失+散乱損失)が小さい方がプリント基板として良好な特性が得られます。この伝送損失に影響を与える誘電損失も小さい方が良いのですが、誘電損失は誘電率、誘電正接の値によって大きさが決まるため、低誘電率、低誘電正接である材料が求められています。
上表の測定結果より、弊社製品ではTEMPICがおススメです。
ただし、硬化物にした際の特性については、高分子材料特有の緩和機構が複数考えられる事や緩和時間も長い事から、目的とする周波数帯と使用温度を加味しながら、ご検討の配合組成にてご確認ください。
*本記事は、記載内容を保証するものではありません。