USE INTRODUCTION
用途紹介
エポキシ樹脂チオール系硬化剤の特長
エポキシ樹脂とは、末端に反応性のエポキシ基を1分子に2個以上持つ、熱硬化型の合成樹脂の総称です。
古くから製造され使用され続けてきた熱硬化性樹脂ですが、現在もなお重要な地位を保ち続けており、今後も発展していくと考えられています。
各種の硬化剤と反応させると不融不溶の三次元硬化物(いわゆるプラスチック)となり、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性、耐水性、耐湿性など、
数々の特長を備えた高性能、多機能樹脂として、電子回路の基板やICパッケージの封入剤、接着剤、塗料、積層剤など、さまざまな用途に利用されています。
当社では、エポキシ樹脂を硬化するための、チオール系硬化剤を各種取り揃えています。
通常の樹脂であれば、主剤の性質が強く反映されますが、エポキシ樹脂は硬化剤の種類・硬化剤使用量・硬化条件などによっても、
硬化後の特性が変化する樹脂で、反応性が高いチオール系エポキシ樹脂硬化剤を用いることで、低温速硬化することが可能です。
反応性が高いため、使いこなしが難しいと言われていましたが、潜在性硬化促進剤を用いることで実用化が容易になっています。
用途例
Application example
- 電子材料向け接着剤
- 電子材料向け封止剤
- 建築材料向けコーティング剤
低温硬化性能評価
LOW-TEMPERATURE CURING
エポキシ樹脂硬化剤としてチオールを使用すると、酸無水物を使用して硬化するよりも、低温硬化が可能になります。これは、エポキシ基に対する反応性が、チオール基 > アミノ基 > 酸無水物 であることに起因します。
測定機器:示差走査熱量計(DSC)
測定条件:40℃→250℃、昇温速度10℃/分、N2雰囲気
配合:エポキシ当量:チオール当量=1:1 + 潜在性アミン 0.01%
(エポキシ樹脂:ビスフェノールA型)
速硬化性能評価 / ゲルタイム
RAPID CURING / GEL TIME
エポキシ樹脂硬化剤としてチオールを使用すると、アミン(BDMAなど)を使用して硬化するよりも、Air雰囲気で短時間の硬化が可能になります。
測定条件:80℃、ホットプレート上、Air雰囲気
配合:エポキシ当量:チオール当量=1:1 + 潜在性アミン 0.01%
(エポキシ樹脂:ビスフェノールA型)
比較:BDMA(N,N-Dimethylbenzylamine)
ポットライフ評価
POT LIFE
エポキシ樹脂硬化剤としてチオールを使用する場合、促進剤として潜在性アミンや、安定化剤を用いることで、ポットライフの延長が可能になります。
安定化剤一例:トリエチルボレート、トリイソプロピルボレート、トリメチルボレート、トリ−n−プロピルボレート、トリ−n−ブチルボレートなど
測定条件:25℃、Air雰囲気
配合:エポキシ当量:チオール当量=1:1 + 潜在性アミン 0.01%
(エポキシ樹脂:ビスフェノールA型)
安定化剤
Pot life (Day, 25℃)
初期粘度より20%増粘するまでの日数
TMMP
PEMP
DPMP
TEMPIC
なし
2
5
16
17
添加
>30
>30
>30
>30
参考文献:垣内弘、”総説 エポキシ樹脂 基礎編Ⅰ”、
大昭和印刷株式会社(2003)
ラインナップ
Line up
Product
Structural formula
SH当量 / SH Eq(g/eq)
粘度 / Viscosity
(mPa・s) [25℃]
値は全て代表値であり、保証するものではありません。
The values shown above are typical values, not guaranteed values.